滝宮小学校の2年間の実践報告は「地域に根ざした食育コンクール2003」で最優秀賞の農林水産大臣賞を受賞した。
『“弁当の日”がやってきた』(自然食通信社)を上梓し、講演も 全国で行ってきたが、実践校はほとんど増えなかった。
ひろがる実践
2006年、福岡県・西日本新聞社(佐藤弘・渡邊美穂ら)の特集記事「食卓の向こう側」に“弁当の日”が紹介されて以降、急速に福岡県内で実践校が増えていった。
さらに九州大学における「一品持ち寄り形式」(九州大学・佐藤剛史)、弁当づくりのコースを児童に選択させる「イナマス方式」(小学校教員・稲益義宏)、毎日家族のためのみそ汁を子どもに作らせる「みそ汁の日」(小学校教員・福田泰三)、家族の食卓の大切さを訴える「生教育」(助産師・内田美智子)、大学生の自炊力を高めて人格形成の一助とする「自炊塾」(九州大学・比良松道一)、わが子を台所で育てた実践者(渡邉雅美・船ヶ山清史) 等の全国の個性的な取り組みが“弁当の日”の輪を広げた。
2008年には、栃木県・宇都宮市管内の92校が一斉に市教育委員会の主導で“弁当の日”をスタートさせた。
2011年には宮崎県教育委員会が条例を制定し実施校を急増させ、のちに福岡県教育委員会も続いた。
2012年からは(株)共同通信社が事務局となり協賛企業を募り、“弁当の日”応援プロジェクトを結成。
全国での講演会への助成、機関誌の発行等で実践校の広がりを実現し、この活動は「2014年キッズデザイン賞・消費者担当大臣賞」を受賞した。
2015年のミラノ万博にて、農林水産省が日本の食育実践の具体例として世界に紹介した。
2019年度末までの実施校は全国47都道府県を網羅し、2300校を超えている。
これは全国の学校数の約5%に当たる。
市ぐるみの取り組みでは埼玉県・狭山市、新潟県・三条市、長野県・駒ケ根市、愛知県・あま市、大分県・佐伯市等が挙げられる。
“弁当の日”の実践校とは、最終的に子どもの自立を目指し「親は手伝わないで」を基本的なスタンスにしている学校をいう。
親が子どもに代わって弁当を作り続けていては、子どもの自立を阻害していることになる。
「実践校」の厳密な調査基準・方法も審査機関もない。「実施しました」という報告があれば登録し、公開している。
削除希望の申請がない限り「実施した学校」として残している。